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0.01の発起人である武田さんですが、なぜ0.01を作ろうと思われたのですか?
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マレーシアに赴任中の2004年10月、当時の新製品であるサガミオリジナル0.02を日本に向けて出荷を開始した時に、次のステージとして0.01mm台を作ろうと号令をかけました。0.02mmを実現した後、具体的な新しい目標を作ることが大事だと思ったんです。
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0.01にはどのような形で関わりましたか?
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主に0.01の製造技術開発と製造計画です。
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製造技術開発とは?
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原料から包装までの全ての製造工程で、品質を落とさずに更に薄くする技術を追及することです。
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製作時にこだわった部分はどこですか?
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35、28、24、22、18ミクロンと1999年から徐々に薄くして来た過程で、医療機器としての安全性を担保するための品質(水漏や破裂等)をしっかりと維持することです。
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号令から約10年ですが?
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のんびりやった訳ではありませんが10年もかかってしまいました。1年で1ミクロンになりますね。その間、多くの様々な試行錯誤があったけれど、それらは貴重な技術的財産になっています。
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実際に発売となってどのようなお気持ちですか?
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暗闇の中を突進していくような気持ちです。追いかけるのは簡単ですが、先行するのはリスクがあり、正直怖いです。一方で、0.01は大きな可能性を秘めた製品ですので、これからも慎重に市場の声や、丁寧に生産現場の意見に耳を傾けながら進化させていきます。
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0.01について一言
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0.01の発売は大跡社長を先頭に各担当部門が一丸となって結実させたものです。でも、これで終わりではなく「0.00」を目指してまだまだ先がありますよ。

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普段はどんなお仕事を?
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コンドームをいかに薄くするかを一日中考えています。
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0.01にはどのような形で関わりましたか?
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マレーシア工場における0.01開発プロジェクトのメンバーとして、実際のプラントを使った大規模な生産実験の計画やデータの分析、生産条件の設定など、0.01を実現するための基礎実験を担当していました。
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山中さんは0.01開発時、マレーシアにいらっしゃいましたが、苦労された点はありますか?
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どんなに優れた機械や管理システムを導入しても、それを取り扱うのはヒトですから、人材の教育に力を入れました。これまでにもサガミオリジナルの新商品を投入する際は全作業者で技術のレベルアップに取り組んできましたが、0.01に限っては今までの延長線上という捉え方ではうまくいかず、作業をゼロから見直す必要に迫られました。0.01の生産には高い精度とより丁寧な作業が求められますので、経験や役職を問わず、生産に携わる全員を基礎から再教育しました。
コンドームは、検査やパッケージングなど、ヒトの手を使う作業が多いため、雑に扱えばせっかく良い製品を作っても、そこでダメになってしまいます。ヒトはすぐには変わらないので、ヒトのコントロールが一番難しかったです。考え方を変えたりしないといけないですからね。長い時間をかけて工場全体の士気を高めていきました。
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0.01を作る上でこだわった点はありますか?
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ガラス型の管理です。コンドームの薄い皮膜はガラスの型の上で造られますので、型の品質がコンドームの品質を決定づけます。ガラス型は社外メーカーに委託しているのですが、わずかな傷も許さない高品質のガラス型の製造には委託先企業の協力無しでは実現しません。話し合いを積み重ね、両社で「世界初のコンドームをつくる」という高い目標を共有し、時間をかけて技術力を高めてきました。こちら側の厳しい注文に対して、「面倒くさいからやめる」と言われてしまえば0.01は実現できませんでした。委託先企業にも力を付けていただいて、一緒に0.01を作り上げていく、そういうイメージでしたね。
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0.01について一言
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取材では、開発部門がクローズアップされることが多いのですが、0.01は全社員が一丸となって作り上げた商品だと思っています。開発の仕事にゴールはないと思いますので、これからもコンドームのパイオニアとして薄さを追求していきます。

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0.01にはどのような形で関わりましたか?
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マレーシア赴任中には、工場スケールで0.01のテスト生産を行い、実生産への改善点の洗い出しを行いました。帰国後は生産現場の方々とディスカッションを重ね、製品仕様の詳細を詰め、製品データの整備をしました。
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0.01発売についてどのように感じてらっしゃいますか?
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サガミオリジナルの至上命令は、世界で最も優れたコンドームであることです。
サガミオリジナルをスタートした時から、0.03や0.02を作るのが、サガミオリジナルの目標ではありません。とはいえ、ようやくここまできたかと感慨深いものがあります。より強く、より安全な素材で全く新しいコンドームを作るという決断が正しかったと改めて思いました。例えば、単純に素材を変えてゴムアレルギーの対応商品を作ることを選んでいたら、現在のサガミオリジナルとは全く違ったものになっていたはずです。もしかしたら、商品として今日まで残っていなかったかもしれません。1998年の発売以来、サガミオリジナルは常に進化し続けてきました。その日々の積み上げが0.01だと思います。
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0.01の今後についてどうお考えですか?
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0.01がようやく販売となりますが、競争相手あってのことですので、休んでいるとトップには立っていられません。皆さん生き残りをかけて努力していますから。これからも新しいことに挑戦し続けていこうと思っております。加えて、国内だけに留まりたくないですね。是非海外の人にも使ってもらいたい。マーケットとしては日本が始まりで、アジアや欧米の人にも使ってもらいたいと思っています。
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0.01について一言
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まだまだ進化します。

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0.01にはどのような形で関わりましたか?
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1997年からマレーシアでポリウレタン製のコンドームを開発しています。最初は35ミクロンのコンドームの開発に携わり、その後28、24ミクロンと移行、そして今回の0.01開発に関わりました。
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0.01を開発すると聞いて、最初に感じたこと、思ったことを教えてください。
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0.01mmの薄さのコンドーム開発の実験開始は、2004年頃からですが、その頃は35ミクロンから28ミクロンに移行する段階で0.01は夢のまた夢でした。「もし製品化出来れば、コンドームの革命になる」くらいにオーバーに思っていました。
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0.01を開発する上で苦労した点はどういった点ですか?
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18ミクロンまで薄くなると、いくつかの課題が出てきます。その原因対策のため、数年間、気の遠くなるような作業の繰り返しでした。
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製作時にこだわった点はどこですか?
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やはり、0.01ですので柔らかさを保ち、強度を守る事です。薄くなるにつれ、柔らかくなりますが、その分使用時の強度面の安心感が欠けてきます 。安心して使用出来る様に、ISO基準を参考に、品質面を重視したコンドームを作り上げてきました。
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実際発売となってどのようなお気持ちですか?
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長年の夢が叶えて、とても光栄です。0.01コンドームを消費者の皆様に提供する事が出来、とてもうれしく思います。今後も、技術を磨き、より良いコンドームを作ります。
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0.01について一言
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装着時のフィット感、柔らかさ、ぬくもり、を強調しつつ強度面を保ったコンドームです。消費者の皆様が求めていたコンドームに作り上げました。

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0.01にはどのような形で関わりましたか?
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0.01には昔から皮膜を薄くする実験に関わっていました。その中でガラス型を洗う洗剤関係が大切ということに気づいたので、洗剤の選別に苦心しました。0.01のガラス型洗浄に使われている洗剤も私が選んだんです。今では洗剤マイスターと呼ばれています(笑)。
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なぜ洗剤が重要になってくるのですか?
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なぜ重要かというと、洗浄が不十分だと、以下の二つの問題が出てきます。まずは、ガラス型の汚れと製品がくっついてしまい、製品を型からはがしにくくなります。そして二つ目は、製品の欠陥の原因となります。ガラス型表面に汚れが残ると、汚れの上にウレタン皮膜を作ることとなり欠陥になりやすくなります。これは製品が薄いほど影響を受けやすくなります。したがって、ガラス型をきれいに洗浄することは品質の面で、製品の厚さが非常に薄い0.01では極めて重要となります。
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洗剤選びは全て一人でやられたんですか?
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はい。何種類もの洗剤を集めて、一人でプラントにこもり、全てを実験しました。
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洗剤を選ぶ上で一番苦労した点は?
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実際に生産し、洗剤が製品に影響を及ぼすのかどうかを見極めるのに一番苦労しました。中には一週間経ってから変化が見られるものもあったので厄介でした。
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印象に残っているエピソードはありますか?
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一度、実験に使ったガラス型120本を全てダメにしてしまったことがあります。洗剤の効果でガラス型表面がコーティングされてしまったのです。そのガラス型は泣く泣く全部捨てました。
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0.01について一言
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究極のコンドームとなりますから期待しております。